原子力発電は、原子の核分裂反応を原子炉で制御し、発生した熱エネルギーを利用して蒸気を発生させ、タービンを回転させて発電します。
1. 核分裂エネルギー
物質は核分裂を起こすと、反応後の質量がわずかに小さくなります。
この質量差を質量欠損と呼んでおり、この質量欠損から核分裂エネルギーを計算できます。
質量欠損を〔kg〕、光速を
〔m/s〕とすると、質量欠損エネルギー
〔J〕は次の式で計算できます。
〔J〕
2. 核分裂エネルギーを計算するときのよくある間違い
上記の通り、質量欠損の単位は〔kg〕ですが、求まるエネルギーの単位は〔J〕です。
まずはこの単位を間違えないようにしっかり覚えましょう。
また、実際の問題では質量欠損は次のような与えられ方をします。
<例題>
1〔g〕のウラン235が燃焼し、質量が0.09〔%〕減少したときに発生する核分裂エネルギー〔J〕はいくらか。
<解答>
質量欠損は1〔g〕の0.09〔%〕です。
まずは1〔g〕の単位を〔kg〕にしましょう。
1〔g〕=1×10-3〔kg〕
この0.09〔%〕が質量欠損〔kg〕になりますが、多い間違いは次のように計算してしまうものです。
〔kg〕
これでは単位が〔%〕のものをそのままかけ算してしまっています。
0.09〔%〕は小数表記でとしなければなりません。
よって、正しい質量欠損〔kg〕は、次の式になります。
〔kg〕
以上から、核分裂エネルギー〔J〕は次のように計算します。
〔J〕
公式は単純で覚えやすいですが、単位で間違う方が多くいらっしゃいます。
注意して覚えておきましょう。