V結線は2つの電源で三相を供給する結線方式で、配電用変圧器に多く利用されます。
V結線は文章問題で出題されたり、計算問題でも出題されますので、出力比と利用率の算出方法を理解できるようにしておきましょう。
1. V結線変圧器の出力比
V結線における線間電圧を 、相電圧を
とすると、線間電圧
=相電圧
であることがわかります。また、電流の相電流と線間電流も等しく、
〔A〕の電流が流れます。

V結線変圧器における容量を〔V・A〕とすると、下記のようになります。
〔V・A〕
それに対し、Δ結線変圧器の場合は、相電圧、相電流を
とすると、容量
〔V・A〕は下記のようになります。
〔V・A〕

出力比とは、Δ結線変圧器の容量に対するV結線変圧器容量の比になりますので、
となり、出力比は約57.7〔%〕となります。
2. V結線の利用率を求める
利用率とは、変圧器が持つ合計の容量に対するV結線変圧器の容量の比になります。
V結線は2台の単相変圧器を使用しているので、合計の容量は〔V・A〕と表すことができます。
前述でV結線変圧器の容量〔V・A〕と求められたので、この2つの比を求めると、
〔%〕
よって、利用率は86.6〔%〕となることがわかります。
つまり、2台の変圧器が持っている容量の86.6〔%〕の負荷しか接続することができません。