ダイオードやサイリスタを用いた回路は機械科目の基本的な問題として多く出題されます。
ダイオードに電流が流れる仕組みは理論の知識も必要ですので、先に理論を学習するのがおすすめです。
1. ダイオードとは

ダイオードは、n形半導体とp形半導体を接合したものです。
p形半導体側をアノード(A)、n形半導体側をカソード(K)と呼び、アノードの電位がカソードの電位より高いときに、ダイオードが導通します。
アノードの電位がカソードの電位よりも低いときは、ダイオードが導通せず、電流が流れません。
一方向だけに電流を流すので、交流を直流に変換する装置に使用されます。

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2. ダイオードが入った回路と出力波形
次のような交流電源を用いた回路で、出力電圧
がどのような波形になるかを考えます。

-
・
が正の周期のとき
このとき、ダイオードはアノードの電位がカソードの電位よりも高くなるため、導通し、負荷に電流が流れます。よって、は
と等しくなります。
-
・
が負の周期のとき
このとき、ダイオードはアノードの電位がカソードの電位よりも低くなるため、導通しません。つまり、ダイオードのところで回路が切れてしまっていることと同じような状態となり、負荷には電流が流れないため、は0〔V〕です。
以上より、の波形は次のようになります。

3. サイリスタとは
ダイオードにはA(アノード)とK(カソード)に加えて、G(ゲート)端子があります。

ダイオードは、アノードの電位よりもカソードの電位が高いときに導通しましたが、サイリスタはそれだけでは導通しません。
アノードの電位がカソードの電位が高いときに、ゲートに電流を流すと、サイリスタが導通します。
なお、一度導通すると、ゲート電流が0になっても導通し続けます。
4. サイリスタが入った回路と出力波形
次のような交流電源を用いた回路で、出力電圧
がどのような波形になるかを考えます。

基本はアノードの電位がカソードの電位よりも高いときに電流が流れるため、出力電圧の波形はダイオードのときとほとんど同じです。
ですが、サイリスタはゲートに電流を流さないと導通しないため、ゲートに電流を加えたときに導通(オン)し、出力波形は次のようになります。
