自動制御の分野の中でも、周波数伝達関数やゲインを求める問題は理論の電気回路の考え方を理解していれば比較的得点しやすいので、ぜひマスターしておくようにしましょう。
1. 周波数伝達関数とは
周波数伝達関数は出力信号
と入力信号
の比を求めたものです。
(1)R-C回路
次の回路の周波数伝達関数を求めます。

入力信号は抵抗の電圧とコンデンサの電圧の和となるので、電流を
とすると、
出力信号はコンデンサの電圧となるので、
よって、周波数伝達関数は、
ここで、はこの回路の時定数なので
とすると、
(2)L-R回路
次の回路の周波数伝達関数を求めます。

入力信号はコイルの電圧と抵抗の電圧の和となるので、
出力信号は抵抗の電圧となるので、
よって、周波数伝達関数は、
ここで、はこの回路の時定数なので
とすると、
(1)R-C回路、(2)L-R回路の周波数伝達関数が同じ形となりました。
このことから、この2つの回路は同じ特性を持つことがわかります。
2. ゲインとは
ゲインは利得ともいい、周波数伝達関数の絶対値です。
周波数伝達関数がのときの絶対値
は、
ゲインはデシベルで表されることが多くあります。
これはゲインの常用対数をとり、20倍して求めます。
のデシベル表示のゲイン
〔dB〕を求めると、
〔dB〕