【質問】
周波数伝達関数が分かりません。
周波数伝達関数とは、入力信号と出力信号の比で定義され、自動制御系の特性を数式で表したものです。
「なんか難しそう…」と思われる方も多いですが、理論の交流回路がしっかり理解できていればそこまで難しくありません。
で表したものを周波数伝達関数と言います。
であることから、周波数により変化することがよくわかります。
それに対し、ラプラス演算子で表したものを伝達関数と言います。
や
が1乗の場合は一次遅れ、2乗の場合は二次遅れと言います。
電験三種の試験においては、を用いて表す伝達関数や、二次遅れのものについて出題されることはほとんどありません。
ですので、一次遅れの周波数伝達関数について理解しておくと良いです。
一次遅れの周波数伝達関数の主な回路は次の通りです。
入力信号電圧を、出力信号電圧を
、周波数伝達関数を
としています。
積分回路とは、緩やかな変化で定常状態になる回路、微分回路は急激な変化に対して安定にする回路です。
1.R–C回路(積分回路)

図1より、出力信号電圧は、
これを…のように式変形すると周波数伝達関数
が求まります。
分母のを
(時定数)として式を書き換えると、
となります。
このほかの回路についても同様の考え方で周波数伝達関数を求めることができます。
2.L–R回路(積分回路)

図2より、
よって、は、
分母のを
(時定数)として式を書き換えると、
となり、R–C回路と同じ形になります。
3.C–R回路(微分回路)

図3より、
よって、を
(時定数)として
を求めると、
となります。
4.R–L回路(微分回路)

図4より、
よって、を
(時定数)として
を求めると、
となり、C–R回路と同じ形になります。