〔理論004〕直流と交流の基本

〔理論004〕直流と交流の基本

電気には直流と交流の二つの種類があります。それぞれ性質が違いますので、直流回路と交流回路では計算の仕方も違ってきます。
電験3種の交流回路の問題では複素数の計算が必要になってきますが、交流の計算の基礎は直流です。オームの法則やキルヒホッフの法則も、直流と交流どちらにも適用できます。

(1)直流と交流とは

直流は+極と-極が決まっていていつも一定の方向に電流が流れます。乾電池は直流です。
一方、交流は一定時間ごとに電流の流れる方向が入れ替わり、大きさも変わります。発電所で作られ家庭に送られてくる電流は交流です。

(2)直流と交流の計算の違い

直流回路の計算は実数のみの計算でよいのですが、交流回路の計算では複素数(実数と虚数からなる)の計算をする必要があります。
これは、交流は時間の経過とともに周期的に大きさと方向が変化するので、大きさと方向を表すベクトルで考える必要があり、そのベクトルを計算するには複素数の数式計算をすればよいのです。複素数を使うことによって交流回路の計算が簡単に行えます。(交流を複素数で計算しないと、難解な積分や微分方程式を使わなければいけないことになります。)

(3)直流回路と交流回路のオームの法則の計算

オームの法則により、回路に流れる電流を求めるとき、
直流回路では、I=V/R〔A〕(電流=電圧/抵抗)で求められますが、
交流回路では、\dot{I}=\dot{V}/\dot{Z} 〔A〕(電流=電圧/インピーダンス)で求めることになります。
記号の上の・(ドット)はベクトル量を表しています。
  
インピーダンス \dot{Z}〔Ω〕は、交流回路の抵抗成分(電流の流れを妨げるもの)で、抵抗と
リアクタンスからなります。(リアクタンスには、誘導性と容量性の2種類があります。)
直流回路では、電流の流れを妨げるものは抵抗 R〔Ω〕だけですが、交流回路ではコイルのインダクタンス L〔H〕及びコンデンサの静電容量 C〔F〕が、それぞれ誘導性リアクタンス X_L〔Ω〕及び容量性リアクタンス X_C〔Ω〕となって、電流の流れを妨げる働きをします。

交流の計算するときは、抵抗 R〔Ω〕は実数で、リアクタンスは、誘導性リアクタンス jX_L 〔Ω〕、容量性リアクタンス jX_C〔Ω〕と、虚数単位 j をつけ虚数にして複素数の計算をします。

(4)直流回路の電圧・電流波形と、交流回路の電圧・電流波形及びベクトル

① 直流回路とその波形

I=V/Z〔A〕
VI は時間が経過しても同じ方向で同じ大きさ

② 交流回路とその波形及びベクトル

Z=R+jX_{L}=R+j\omega L〔Ω〕
\nui は周期的に方向(+と-)と大きさが変化する。
(誘導性リアクタンス X_{L}=\omega L〔Ω〕)
i\nu より位相が 遅れている。

\dot{Z} を表すベクトルは下左図の通りです。(ベクトル三角形という)この三角形の偏角 \displaystyle \theta=tan^{-1}{\frac{X_L}{R}} が、電圧と電流の位相角になります。
電圧を基準に電圧と電流のベクトルを書くと下右図のようになり、電圧に対して電流は \theta 遅れています。
\theta のことを力率角或いは位相角(位相差)といいます。

\displaystyle \dot{I}={\frac{\dot{V}}{\dot{Z}}}={\frac{\dot{V}}{R+j\omega L}}〔A〕
\displaystyle |\dot{Z}|=\sqrt{\mathstrut R^{2}+{X_{L}}^{2}} 〔Ω〕   

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