〔理論005〕複素数を使った交流回路の計算

〔理論005〕複素数を使った交流回路の計算

直流は常に電圧や電流の方向は一定ですが(大きさは変わる場合もある)、交流(正弦波交流)は電圧、電流の大きさと方向が、時間の経過につれ周期的に変化します。
大きさと方向を同時に考えて数学的に取り扱うものがベクトルです。交流は大きさ(実効値)を線分の長さ、方向(位相)を基準の方向との角度θで表すベクトルで考えます。


 
また、直流回路では電流の流れを妨げるものは抵抗 R 〔Ω〕ですが、交流回路ではコイルとコンデンサが、それぞれ、誘導リアクタンス X_L〔Ω〕、容量リアクタンス X_C〔Ω〕となって交流電流の流れを妨げる働きをします。
さらに、誘導リアクタンスは電流の位相を電圧より \pi/2 遅らせる性質があり、容量リアクタンスは逆に電流の位相を電圧より \pi/2 進ませる性質があります。抵抗に流れる電流は電圧と同相です。
交流のベクトルは上の図のように、実効値を絶対値、位相角を偏角とする複素数で表されます。
複素数 \dot{V}=a+jb , 絶対値(実効値) V=\sqrt{\mathstrut a^{2}+b^{2}} , 偏角 \displaystyle \theta=tan^{-1}{\frac{b}{a}}

つまり、交流には大きさと向きがありますので、ベクトルで考え、複素数で計算します。
例えば、次のような回路の場合、

図1 は直流回路なので、キルヒホッフの第1法則より、I=3+10+6=19 〔A〕 になりますが、
図2 は交流回路なので、キルヒホッフの第1法則は同じですが、複素数の計算をしなければいけません。
抵抗に流れる電流 \dot{I}_R〔A〕は、電圧と同相なので \dot{I}_{R}=3〔A〕です。
コンデンサに流れる電流 \dot{I}_C〔A〕は、電圧より \pi/2 進み電流なので \dot{I}_C=j10 〔A〕となり、
コイルに流れる電流 \dot{I}_L〔A〕は、電圧より \pi/2 遅れ電流なので \dot{I}_L=j6〔A〕と表されます。
したがって、\dot{I}=3+j10+(-j6)=3+j4 〔A〕になります。
電流のベクトル(複素数)の大きさ(絶対値)I 〔A〕は、I=\sqrt{\mathstrut 3^{2}+4^{2}}=5 〔A〕となります。
ベクトル図を描くと下記のようになります。(図2の電流 \dot{I}=\dot{I}_{R}+\dot{I}_{C}+\dot{I}_{L} (①+②+③)になる。)


※ 交流はベクトル図を描き、複素数で計算するということに徐々に慣れていきましょう。

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