理論で学習する三相交流回路は、電験三種すべての基本です。
この三相交流回路の理解ができていないと、電力や機械、法規の学習でもつまづいてしまいます。
電験三種の柱となる部分ですので、しっかり理解して、問題に適用できるようにしておきましょう。
1. 三相交流回路とは?
三相交流回路は、3つの交流回路を組み合わせたものです。
3つの交流電源は、大きさは同じですが、位相が120°(〔rad〕)ずつずれています。
大きさを〔V〕とし、3つの交流電源の電圧を式で表すと次のようになります。
〔V〕
〔V〕
〔V〕
2. Y結線の特徴
上記の3つの交流電源を、下図のようにYの形に結線する方法をY結線と言います。
真ん中の接続点を中性点といい、中性点の電位が基準(0〔V〕)と考えます。
Y結線の場合は、電源を流れる相電流がそのまま枝分かれすることなく負荷のほうへと流れていきます。
このことから、相電流と線電流が等しいという特徴があります。
b相から見たa相の線間電圧は、上図の赤の点線より、
となります。
ベクトル合成した線間電圧は、大きさは相電圧の
倍、位相は相電圧に対して30°進みます。
3. Δ結線の特徴
1. 三相交流回路とは?で述べた3つの交流電源を、下図のように三角形に結線する方法をΔ結線と言います。
Δ結線の場合は、a-b間の線間電圧を考えると、上図よりとなります。
このことから、相電圧と線間電圧が等しいという特徴があります。
a相の線電流は、接続点pにおけるキルヒホッフの法則より、
となり、大きさは相電流倍、位相は相電流に対して30°遅れます。