【質問】
キルヒホッフの法則だけを覚えておけば、直流回路の問題を解くことはできますか?
直流回路の問題は、基本的には、キルヒホッフの法則を使えば解けます。
「基本的には」と記載したのには、理由があります。
それは、キルヒホッフの法則で解くには連立方程式を解く必要があり、未知数が増えると計算が複雑になるからです。
電験三種の試験は、1問5分程度と、1問にかけられる計算の時間がとても短いです。
よって、ミルマンの定理、重ね合わせの理、テブナンの定理を使って、効率良く解くことも出来ます。
例題を用いて説明しましょう。
【例題】
図における 〔A〕の値として、正しい値を求めよ。
これをキルヒホッフの法則を用いて解きます。
まず、キルヒホッフの第1法則より、
となります。
次に、キルヒホッフの第2法則より、


となります。
この3つの連立方程式を解くと、
〔A〕となります。
次にミルマンの法則で解いてみましょう。
ミルマンの法則で、
を求めます。
〔V〕となります。
求めるのは、
〔A〕ですので、
〔A〕
ミルマンの法則は、分数の計算ではありますが、式の計算は2回で済み、非常に効率が良いです。
ここで重要なものことは、問題によって、いろんな定理を使い分けられるようになり、
自分にあった解き方を見つけることです。
電験三種は時間との勝負な部分もありますので、自分で1番速く解ける方法を見つけましょう。