電験三種の数学 三角比 対辺と底辺の見分け方

電験三種の数学 三角比 対辺と底辺の見分け方

電験三種では直角三角形をよく使います。直角三角形を使った考え方に三角比というものがあり、電験三種では重要なものです。
三角比を理解するためには、「斜辺」「対辺」「底辺(隣辺ともいいます)の3つの辺を間違えないようにすることが重となります。
3つの辺のうち「斜辺」は90°の角の向かい側の辺のことですので簡単にわかりますが、
「対辺」と「底辺」はあるルールを知っていないときちんと見分けることが難しくなります。
今回はそのルールをマスターして「対辺」と「底辺」を間違えないようにしましょう。

■底辺、対辺とは?

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図1のような直角三角形の場合、一般的にはbが「対辺」、aが「底辺」としてしまうところですが、実はこの図1では「対辺」と「底辺」は決められません。

なぜかというと「対辺」「底辺」を決めるには、直角以外の2つの角のうち、どちらかの角を指定する必要があるからです。

■底辺、対辺のルール

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図1の直角三角形に角θを指定して図2とします。

図2の直角三角形では、対辺が「a」、底辺が「b」となります。

これは「対辺」には「直角三角形の“ある角 \theta”の向かい側の辺」、底辺とは「“ある角\theta ”に接する辺」というルールがあるからです。そのため「“ある角\theta ”の向かい側の辺aが対辺」、「“ある角\theta ”に接する辺bが底辺」となります。

三角関数は次のように定義されています。

sin\theta=対辺/斜辺

cos\theta=底辺/斜辺

tan\theta=対辺/底辺

このため、図2においては、
sin\theta=\frac{a}{c}

cos\theta\frac{b}{c}

tan\theta=\frac{a}{b}

となります。

■例題で覚える

 

例題1 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

図3の直角三角形において、底辺はどの辺か。

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解き方                答え  a

「角 \thetaに接する辺が底辺」ですので、aが底辺です。

 

例題2 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

図4の直角三角形において、対辺はどの辺か。

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解き方                答え  a

「角 \theta の向かい側の辺が対辺」ですので、aが対辺です。

 

例題3 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

図5の直角三角形において、対辺はどの辺か。

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解き方                答え b

「角\theta の向かい側の辺が対辺」ですので、bが対辺です。

■電験三種での出題例

ある負荷の有効電力と無効電力の比が3:1であるとき、負荷の力率と無効率を求めよ。

答え 力率0.949 無効率0.316

解き方

P:Q=3:1なので、P=3 〔kW〕、 Q=1〔kvar〕の直角三角形を作ります。

三平方の定理より、皮相電力S 〔kV・A〕は、 S=\sqrt{P^{2}+Q^{2}}=\sqrt{3^{2}+1^{2}}=\sqrt{10}〔kV・A〕

電力の公式より、力率は、cos\theta\frac{P}{S}=\frac{3}{\sqrt{10}} ≒0.949

無効率は、sin\theta=\frac{Q}{S}\frac{1}{\sqrt{10}}≒0.316

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力率とは有効電力と皮相電力の比、無効率とは無効電力と皮相電力の比のことです。

電力の直角三角形では、角 \thetaは図のような位置になります。この角 \thetaを力率角といいます。

したがって、力率 cos\theta=\frac{P}{S}、無効率sin\theta=\frac{Q}{S}となります。

 

電験三種では、交流回路、電力、力の計算などで多くの問題で直角三角形を考えます。そのとき、三角比を理解していると図を書けば、それほど難しくない問題もあります。三角比を理解するためには、まず角 がどの角なのかを確認して、「対辺」「底辺」がどれかを見分けることが重要となります。ぜひマスターしておきましょう。

カテゴリー: 数学
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