電験三種の数学 分母の有理化の基本をおさえる

電験三種の数学 分母の有理化 2つの基本を押さえる

理論の計算において分母の有理化でつまずかない

 

なぜ分母を有理化する必要があるのでしょうか?あるサイトに「採点者が楽だから」なんて笑い話もあります。しかし、理科ではより実態に近い数字を出すことが必要ですので、分母の無理数を有理数に変換します。電気の世界も理科の一種であることから、電気主任技術者の試験でも分母の有理化が必要です。

分母の有理化は、たった2つの基本を押さえることで容易にできるようになります。

 

 

■有理化とは?

まず、「有理数」とは、整数や終りがある小数(有理小数)、循環小数(同じ数字が繰り返される小数)など分数で表される数のことです。それに対して無理数とは無限続く小数ことです。例えば円周率πがよい例です。テレビなどで「スーパーコンピュータで円周率を何桁まで計算した」なんてニュースがよく流れてきますね。平方根や複素数も同じで、これらの数は分数で表せません。分数の分母にこうした無理数があると実際の数値がわかりにくくなります。

そこで、分母に無理数や複素数がある場合には、有理数に変える「有理化」が必要となるわけです。

 

■有理化の基本

1、分数の基本性質を利用する

→ ある数値に、分母と分子が同じ分数をかければ、「1」をかけたことになるため、

数値は変わりません。この性質を利用して分母の無理数を有理数に変えることができます。

 

2、展開公式「 (a+b(a-b) 」を利用する

→  (a+b)(a-b)=a^{2}-b^{2}となります。この公式を利用すれば、分母の無理数を有理

数に変えることができます。

 

■例題で覚える

 

例題1  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

   \frac{1}{\sqrt{2}}

 

解き方                 答え \frac{\sqrt{2}}{2} 

分子分母が同じ分数は「1」であることを利用し\frac{\sqrt{2}}{2}をかける

\frac{1}{\sqrt{2}} =\frac{1}{\sqrt{2}}\times \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}}{(\sqrt{2})^{2}}=\frac{\sqrt{2}}{2}

\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2}}=1をかけることで分母が有理数の「2」になります。

 

 

例題2  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

   \frac{1}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}

 

解き方                  答え  \sqrt{3}-\sqrt{2}  

展開公式「(a+b)(a-b) 」を利用します。

分母が\sqrt{3}+\sqrt{2} ですので、逆符号の\sqrt{3}-\sqrt{2}をかけます。

また、分子分母が同じ分数は「1」であることも利用して\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}をかけます。

\frac{1}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}=\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}\times \frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{(\sqrt{3})^{2}-(\sqrt{2})^{2}}=\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{3-2}=\sqrt{3}-\sqrt{2}

 

\frac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}-\sqrt{2}}をかけることで分母が有理数の「1」になります。

 

間違い例(同じ符号をかけるとどうなるか?)

分母が\sqrt{3}+\sqrt{2}ですので、同じ符号の\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}をかけてみます。

\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}=\frac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}\times \frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{(\sqrt{3})^{2}+2\sqrt{3}\sqrt{2}+(\sqrt{2})^{2}}=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{3+2\sqrt{6}+2}=\frac{\sqrt{3}+\sqrt{2}}{5+2\sqrt{6}}

このように、分母が√ を含む無理数のままになってしまいます。

 

 

例題3  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

   \frac{1}{3+j4}

 

解き方                    答え  \frac{3-j4}{25}

展開公式「 (a+b)(a-b)」を利用します。

分母が 3+j4ですので、逆符号の3-j4 をかけます。

また、分子分母が同じ分数は「1」であることも利用して\frac{3-j4}{3-j4} をかけます。

 

\frac{1}{3+j4}=\frac{1}{3+j4}\times \frac{3-j4}{3-j4}=\frac{3-j4}{(3)^{2}-(j4)^{2}}=\frac{3-j4}{3-(-16)}=\frac{3-j4}{25}

 

をかけることで分母が実数の「25」になります。

 

■電験三種での出題例

   \frac{100}{3+j4}

 

                        答え 12-j16  

解き方

\frac{100}{3+j4}=\frac{100}{3+j4}\times \frac{3-j4}{3-j4}   =\frac{100(3-j4)}{(3+j4)(3-j4)}=\frac{100(3-j4)}{(3)^{2}-(j4)^{2}}=\frac{100(3-j4)}{9-(-16)}=\frac{100(3-j4)}{25}=12-j16

 

展開公式「 (a+b)(a-b)」を利用します。

分母が3+j4 ですので、逆符号の 3-j4をかけます。

また、分子分母が同じ分数は「1」であることも利用して\frac{3-j4}{3-j4} をかけます。

 

電験三種の試験は五肢択一のマークシ-ト形式です。せっかく問題に問われていることがわかっても分母の有理化ができなかったばかりに答えにたどり着けないという笑えないことはよくあります。ぜひとも有理化はマスターしましょう、

 

カテゴリー: 数学
資料請求【無料】
【無料】メルマガ登録